スタッフT

子供の頃、勉強が嫌いで嫌いで体育と図工、家庭科だけはまだ成績が良い典型的(?)なタイプの子供でした…
それは今でも変わっておらず、覚えないといけない事は全く頭に入って来ずに、すぐに忘れます… 最近は歳と共にそれは加速するばかり。
それではいけない!と、キチンとしようと努力はしているのですがなかなか実らずにいる毎日です。

我が子が新学期から5年生になるので、学校から「家庭科の裁縫セットを購入するように」とプリントが配布されました。
密かにこの時を待っていた私は、よし来たっ!っとガッツポーズ。
小学校5年生の時に購入したお裁縫道具で今現在も自分の趣味のお裁縫を楽しんでいる私は、この購入が一生ものになるかもしれないのよ!と言うことを娘に伝えたかったのです。

と言うのも、これまでちょっとした巾着や雑巾を縫ったりするくらいで、私の手芸レベルは小学校からほぼ機能していないまま大人になりました。
けれど、子供が産まれて可愛いお洋服を着せたい。自分好みの服を選びたい。と思う一方で、その当時は今ほど安くて可愛いものが少なかった気がします。
ピンと来るものに出会えなかったり、素敵だと思える洋服は子供に着せるには高価だったり… 子供服難民になってしまい、自分で洋服を作れたらどれ程いいか。と思ったのが、手芸をしようと思ったきっかけでした。

勉強に対しては予習復習もろくにしなかった私ですが、自分が作りたい子供服本のレシピを熟読して、イメージトレーニングを重ね、手順を何度も確認して。
しっかりと下準備をして作り始めた洋服作り。
好きな生地を買って、ハサミを入れた瞬間はゾクゾクっと今も忘れる事が出来ない感覚でした(大袈裟でしょうか、、)人生で初めて洋服作りをしたのですが、結論、自分が想像していたよりもちゃんと形になって、可愛いブラウスが完成しました。
それが嬉しくて嬉しくて。こんな私にも洋服が作れた!と大興奮したのを今でもハッキリと覚えています。
そこから私の洋服作りは始まりました。
子供はサイズアウトするのも早く、小さくなっては新調し、衣替えの時期はまた生地を変えて作って。
手芸本や生地を探すのが楽しくて仕方がありませんでした。味を占めて、今度は自分の服も作ったり。
丈感や好みの生地で作れる喜びや、何と言っても作っている時の楽しさから抜け出せずに、私の手作り服は増えて行きました。

最近は、前ほどミシンの前に向かう時間がなくなり、手作り熱も随分落ち着きました。
それでもリクエストがあれば子供に欲しい洋服のイメージを聞いて形にしたり、誕生日にワンピースを作ってプレゼントしたりを今も時々しています。
まだ私の手作りの服を着たいと思ってくれている事に安堵したり。

そして頼んでいた娘のお裁縫道具が届きました。

偶然にも私が5年生の時に選んだスヌーピー柄と同じもの…!何だか嬉しくなってしまいます。
今はコンパクトな鞄型が主流になっていて、昔のようにお道具箱の様な形は珍しい様です。
形状は少し違いますが、親子で同じようなお裁縫箱を選んでいることに嬉しさを隠しきれずにいます。
今でも現役の私の裁ち鋏やまち針に書かれた”5年2組”と”旧姓”。
娘はいつまでこの道具を使うかは解りませんが、私にとっては愛着のあるお裁縫セットがより思い出深いものとなったのは確実です。
素敵なシェーカーボックスのお裁縫箱が欲しいなぁ〜 と最近考えていたのですが、今回の出来事で、まだ当分スヌーピーでもいいかな…と思い直したりもしています。

子供がいつか洋服を作りたいと言い出したら、一緒に生地を買いに行ったりミシンに向かったりするのかなぁ。とちょっと想像してみたり。
今は流行りのお洋服がやっぱり好きな様ですが、少し不恰好でも、自分が作った一点もののお洋服の格好良さも知って欲しいなぁ。と、真新しいスヌーピーのお裁縫箱に込めた細やかな願いがあったりする今日この頃です。